残り野菜でぬか漬け。変化する楽しみ。
昨年末に、ぬか漬け容器を購入しました。周囲にぬか漬けをしている方が多く、あまり野菜で手軽に栄養が取れたらいいなと思い、我が家に導入しました。
今回は自宅でのんびり楽しめる、自家製ぬか漬けのお話です。私はぬか漬けがあまり好きではなかったのですが、自分で漬けるようになってから好きになってきました。
ぬか床は生きているので、育てる楽しみもありますよ。
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ぬか漬けとは
玄米を白米に精製するときに米ぬかが出ます。この米ぬかに塩や水などを加え、ぬか床にし、そこに野菜などを入れて作るお漬物が『ぬか漬け』です。
野菜の表面には乳酸菌などの微生物がいます。米ぬかは微生物にとって良い栄養となるので、増えていきます。野菜の発酵が進み、野菜自体に独特な風味がつきや栄養価が高くなってきます。
また、塩により野菜の脱水が進み、保存性が高まり野菜の味も濃くなります。
野菜をぬか漬けにすることで、発酵と脱水の作用により、栄養のある味わい深い保存食が出来上がります。植物性乳酸菌をとることができますね。
江戸時代に白米を食べるようになり、栄養不足で脚気が流行しました。そこで、ぬか漬けを食べることでビタミンB1を摂取していて予防していた、という話もあります。
我が家のぬか漬けのやり方
スーパーでぬか床の材料(いりぬか等)が売っているので、その袋のやり方にならってやっています。どのスーパーでもだいたい売っています。
細かい分量などは、実際にやる際に袋をご覧になったほうがよいと思うので、ここでは大まかなやり方をご紹介します。
①容器を準備する
蓋つきの容器を準備します。プラスチックのタッパーなどでも大丈夫なのですが、私は野田琺瑯の『ぬか漬け美人』というぬか漬け容器を使っています。ぬか漬けをしている友人たちも使っていたので、購入しました。
ぬか漬け美人には二種類の大きさがあるのですが、あまり大きいと作業が負担になってしまいそうだったことと、冷蔵庫にも入れられるサイズだと夏場も便利と聞いたので、コンパクトな方にしました。
(我が家のぬか漬け美人のサイズ(mm):W.255×D.160×H.120)
冬~春にかけては、常温で置いていましたが、暑くなってきてからは冷蔵庫に入れています。シンプルな見た目も気に入っています。
水取器もついています。ぬか床に入れておけば、余分な水がここにたまるので、簡単に水を捨てられます。
ちなみに、野田琺瑯は昭和9年から琺瑯製品を作り続けている老舗メーカーです。医療用の洗面器も取り扱っており、衛生面でとても信頼しています。
野田琺瑯 – 琺瑯は、使う人の心延(こころばえ)を的確に表してくれる日常の道具として70年以上 心をつくし、手をつくし、造りつづけています。 野田琺瑯株式会社.
②ぬか床をつくる
スーパーで買ってきたいりぬかを容器に入れ、塩と湯冷ましを加えて、味噌程度の固さにします。
そこに、試し漬け用の野菜(キャベツの外葉や野菜の皮など)を洗ってから入れます。野菜の乳酸菌でぬか床を発酵させるためです。
一日1、2回、ぬか床を底からかき混ぜます。かき混ぜないと、乳酸菌が過剰に発生して酸っぱくなりすぎたり、上に白いものが発生してしまいます。
かき混ぜたあとは、中の空気を抜くように表面を平らにならし、容器の側面についたぬかをふき取ってください。
夏場で一週間程度、冬場で三週間程度たてば、ぬか床の完成です。
ぬか床に、唐辛子を入れると殺菌作用が高まります。また、昆布や鰹節を入れて、ぬか床にコクを出すこともできます。
③本漬けをする
漬けたい野菜などを、洗ってから入れます。一般的なやり方では塩もみをしてから入れますが、我が家では塩分が気になるので、塩もみせず入れています。保存食としての効果は薄まってしまうかもしれませんが、すぐ食べてしまうので問題ないです。
以下は、私が好きでよく入れる食材です。
- きゅうり(端は切っておく)
- にんじん(固いので縦半分に切る、皮はむいておく)
- 大根(皮付きでもOK)
- カブ(皮付きでもOK)
- ゆで卵(おいしいですよ~!)
早く漬けたいときは、小さめに切っておけば早くつかります。漬かる時間は温度にもよりますが、冷蔵庫に入れたぬか床だと1~2日位で漬かっている感じがします。
私は、取り出して少し切って食べてみます。まだだったら、もう少し漬けておきます。
④ぬか漬けの完成!
ぬか床から取り出して、ぬかを洗い、食べやすい大きさに切って完成です!きゅうりと人参は娘もポリポリ食べています。
自家製ぬか漬けの味に慣れてくると、市販品が塩辛く感じます。優しい味でおいしいです。
ぬか床が酸味が強くなってきたときの対処法
混ぜ忘れていたり、気温が高くなってくると、発酵が進みすぎてしまい、乳酸菌が多くなって酸味が強くなることがあります。
そのときの対処方法は、
- 混ぜて様子をみる
- 冷蔵庫に入れる
- 塩をたす
- 野菜を入れないで休ませる
といった方法があります。
私は、春までは常温に置いておいていたのですが、気温が上がってきたら酸味が強くなりすぎて食べにくい味になってしまいました。冷蔵庫に入れるようにしたら、ぬか床が落ち着いてきました。
冷蔵庫に入れておくと、少しくらい混ぜ忘れても大丈夫なので、管理がラクです。気温が下がってきたら、また常温に出そうと思います。
◇◇◇◇◇
今日は自家製ぬか漬けのお話でした。
最初は、ぬか漬けという新たな習慣を取り入れることができるか、少し心配もありましたが、半年以上続いています。
ぬか漬けのある生活で私が楽しいところは、ぬか床が穏やかに変化するところです。いろんな野菜を入れていくことで、ぬか床の発酵も進み、栄養も増していきます。過剰に発酵してしまったら、対処をして落ち着かせることができます。
そういうふうに、自家製のぬか床を、ゆっくり時間をかけて育てていくということが、とても楽しいです。
あまっていた野菜が、栄養を付加させてよみがえらせることができる、というところも、嬉しいですね。