歩歩是道場

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【リメイク】祖母の服から枕カバーとヘアバンドに

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クローゼットの中を見渡したところ、これはどうしても着ないだろう、という服がありました。

3年前に亡くなった祖母が着ていたロングベストです。

今回は、このロングベストを枕カバーとヘアバンドにリメイクしたお話です。この機会に、祖母が生きた時代に思いを馳せ、祖母の姿に学んでいきたいと思います。

 

 

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着ることのできなかった南国チックなロングベスト

祖母のロングベストの様子。黒を基調とした南国調な織物。


この服は、実家の片付けの際に母親から譲り受けたものです。筆者の両親は鹿児島県徳之島の出身なので、こういう南国風な服をもらうことがたびたびあります。

筆者の中にも島人魂が少なからずあるので、こういう服があってもいいかなと思い、もらってきました。筆者は伝統工芸品のようなものが好きなのです。

 

ところが、着る機会は全くありませんでした。

外出着として着る勇気はなく、部屋着として考えると、自宅でベストをわざわざ着るという行為が面倒だったのです。

 

そういうものはリメイクです。ちょうど次男の枕カバーがぼろぼろだったので、枕カバーにすることにしました。

息子の枕カバーがぼろぼろに破れている様子

ここまで放置してしまっていたとは‥

 

リメイクしてみて生地が生きてきたと思う

枕カバーの様子

 

筆者宅では枕カバーが傷むことが多いので、枕カバーをよく作っています。こちらもファスナー不要で布のみで作れる枕カバーにしました。

作り方はこちらに書いています。

気楽にリメイク。古着から枕カバーに。 - 歩歩是道場

 

次男は一度も徳之島に行ったことがなく、かねてから徳之島に行きたいと話していました。そんな次男に祖母(次男にとっては曾祖母)の服で作った枕カバーを渡すと、とても喜んでいました。

 

生地が少し残ったので、以前にも作ったヘアバンド(ヘアターバン)を再び作りました。

母にあげようと思っていましたが、次男がスポーツをするときに髪を上げておくのに使いたいとのことで、次男にあげました。若干渋めな趣味の次男です。

ヘアターバンの様子

 

作り方は、以前同様こちらのサイトを参考にしました。

book.nunocoto.com

 

服としては着られないものであっても、小物にしてみると暮らしのちょっとしたアクセントになり、日常的に南国情緒を感じられていい感じです。

服として着るときは、主張しすぎる柄物は躊躇してしまいますが、小物ならば取り入れやすいですね。このリメイクは、個人的に大満足でした。

派手な柄物で処分に困った服は、小物にリメイクすると生地が生きるのでおすすめです。

 

笑顔の後ろにあるたくましさ

少し祖母のことを振り返っていこうと思います。

祖母は大正15年(1926年)生まれです。鹿児島県の徳之島で生まれ育ち、介護が必要になるまでずっと島におり、農業や牛の世話をしていました。

 

大正生まれということは、第二次世界大戦も経験している世代です。

戦時中(1939~1945年)は祖母は13~19歳で、その後27歳(1953年)までは奄美諸島はアメリカの統治下におかれていました。青春時代や自分の家庭を築き始める時期を戦争やアメリカの支配下にある状況で過ごし、生活は実に大変だったと思います。

アメリカ統治下の時代は奄美は経済悪化により飢餓に苦しむ島民も多く、本土復帰に向けての運動が激しく行われるようになってきました。ハンガーストライキも行われたようです。

祖母はこの時代に長男長女と出産していますので、自分が生きるだけでも苦しい時代に、子供にも食べさせなければなりませんでした。

 

筆者が大学生の頃に、昔の話を聞いておきたいと思ったことがありましたが、祖母は当時の話を決してしませんでした。母曰く、思い出したくもないのだろう、とのことです。物語として語れるような、きれいごとではありません。

 

筆者が知る祖母はいつもニコニコしていました。たまに田舎に遊びに行ったときは、あまり口数は多くないものの、いつも笑顔で迎えてくれました。

認知症の症状が出たので、上京して母の元で晩年を過ごすことになりましたが、田舎とは全く違う生活環境にも関わらず変わらずニコニコし、東京でも友達ができていました。

 

介護をしていた母は大変だったと思いますが、祖母が東京にいたことで、子供たちを頻繁に会わせることができたので、その点はとても良かったと思います。ひ孫たちにしわを触らせて遊んだりして、子供たちはひいおばあちゃんのことを身近に感じられています。

 

その時々の環境に柔軟に対応し、笑顔で周囲を和ませる祖母の姿は見習っていきたいです。また、祖母が大変な時代に子供を育てて生きてきたことを考えると、筆者もたくましく生きていかなければと、心が改められます。

 

◇◇◇◇◇

 

今回は、祖母の服をリメイクしたお話でした。祖母の服をリメイクすることで久しぶりに祖母のことを思い返し、温かな気持ちになりました。

思い出の品であっても、物が好みでなければ持ち続けることが若干の負担になってしまいます。

ロングベストの状態では、タンスの一角を占める不要な物のままでした。思い出がある分、返って扱いに困ってしまいます。

スペースや管理の手間を考えると、思い出の品をすべて取っておくわけにはいきませんので、物としても生かしていけたらとよいですね。

 

徳之島についてご興味のある方は、ご覧ください。自然豊かな島です。

www.tokunoshima-kanko.com