専業主婦の社会復帰♯2~どんなことをして働くかを模索する~
長年専業主婦をやってきた筆者でありますが、末っ子の小学校入学を機に、来月からフルタイムで働くことになりました。そんな筆者の歩みを記しています。
前回は、心の重石であった「ブランク」について取り上げました。
今回は、どんなことをして働くかを模索する、ということについて取り上げます。
誰かが道を指し示してくれるわけではありません。自分で考えて進めていくのです。
筆者自身なんとか自分なりの答えを出しましたが、その過程ではとても迷ったり動いたりしていました。
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キャリアがない分、悩む
この度、長男を出産してから14年のブランクを経て、仕事を探していました。
「主婦 ブランク 求人」のように検索して色んな求人サイトを眺めていたところ、実に様々な種類の仕事があることを目の当たりにします。
営業、システム、事務職、製造業、運送業、福祉‥。
民間企業、公的機関、NPO団体‥。
働き方だって様々です。
パート、派遣社員、正社員‥。
フリーランスなんて働き方もあります。
もしも積み重ねてきた明確なキャリアなどが自分にあれば、選択肢は決まってくるのでしょうが、特にそういうものはありません。
会社側から自分を必要としてくれるか判断される以前に、まずは自らアクションを起こして会社側にアプローチしなければなりません。つまり、自分で申し込み先を探さないと。
ですが、筆者の場合、自分のアンテナに引っ掛かる求人がたくさんありすぎて、なかなか選ぶことができませんでした。
例えば、以下のような具合です。
- 憧れる仕事。筆者の場合は、物作りや伝統工芸の職人、海外とやりとりする仕事などに憧れます。
- 理想とする社会を作っている仕事。NPO団体や福祉の仕事など。
- お得な仕事。給料が高め、社割で色々買える、など。家計も助かりますね。
- 負担が少なくできそうな仕事。時間が短い、覚えることが少なそう、など。
とにかく、気になった求人に片っ端からお気に入り登録していきます。ここで仕事したらどんな生活になるだろう、と想像しながら。
ただ、お気に入りを登録するだけでは一向に進みません。次第に家族に対して自分が「仕事するする詐欺」でもしているような気分になってきました。
そこで、あらゆる方法を用いて、選択肢を絞っていきました。
実際にその職場まで足を運ぶ
お菓子の製造で気になる求人があったので、実際にその工場まで行ってみることにしました。
そこのお菓子工場には、工場併設の販売所があるので、リサーチがてらお菓子も購入します。
筆者はお菓子作りやパン作りが好きで、独身時代から結婚後もしばらくは料理教室に通っていました。
もしもお菓子作りを仕事としてできたら、毎日甘い香りに包まれて過ごせるし、自分の腕も上がって自宅でもおいしいお菓子が作れるかもしれない!
「パティシエになりたい」という夢を持っている娘にとっても、パティシエとしてはたらく母の背中を見せられたらいいかも。
そんな妄想をしながら、自転車を走らせます。
自転車で1時間走って工場を見つけ、販売所に行ってみます。作業着を着た女性が二人、販売していました。
百貨店などで販売されるデパ地下系の高級菓子なのですが、販売所では通常価格よりお得な価格でお菓子やパンを購入することができます。化粧箱などには入っていません。
中の方をチラチラ見ながら、自宅用とちょっとしたお礼用に購入しました。おいしいお菓子をお得に買えて、大満足です。
働くにあたってのリサーチの方はと言いますと、そこで扱われているお菓子やパンにはとても心がウキウキするものの、自転車で行くには遠すぎることがわかりました。
電車で行くには交通の便が悪い場所なので、自転車通勤も難しいとなると、毎日通うことはあまり現実的ではないことがわかりました。
人の意見を聞く
お得な仕事として、工場での服の製造という仕事もありました。
ここはけっこうお給料が良く、服を社割で買える、ということだったのです。
家族の服を社割で購入出来たら、家計も助かりますよね。
ただし、この仕事には夜勤もありました。週交代だったのでずっと夜勤というわけではありません。
夜勤のある生活スタイルってどうなんだろう。日勤して夜勤してまた日勤になって、という生活になったときに生活のリズムはどのように整えているんだろう‥。
パートの募集だったので、とりあえず応募してみて、やってみながら考えればいいかな。
色々と考えていましたが、頭の中だけでは結論が出ませんでした。
そこで、他の方たちと雑談ついでに相談してみました。
他の人の視点が入ると、自分の頭の中だけで想像していたことを、より具体的にイメージできるようになってきました。
自分一人だけなら夜勤があってもこなせるかもしれない。でも、子どもたちの生活リズムを整えたまま、自分だけ夜勤日勤を繰り返す生活を続けていくことができるのだろうか。上の子たちはいいにしても、一年生になったばかりの娘は?
結局、筆者には、それをやっていく自信がないことがわかりました。
転職サイトの自己分析を用いる
やみくもに自分の興味関心で探していたのですが、「自分の適性」という観点で絞り込むことにしました。新卒の就活のときには自己分析をやっていたように思いますが、すっかりそういうことを忘れていましたね。
今回は数十問の質問に答えるくらいの簡単なものを利用しましたが、転職サイトによっては深く分析できるものもあるようですね。
筆者の結果は「絶えず人と関わりたいタイプで、対人以外は意欲を感じにくい」とのことでした。ルーティーンワークとか、コツコツと戦略を立てることは苦手なようです。
自分としては、そうだったか‥と少し意外に思いましたが、夫曰く「まさにその通り」とのことでした。夫は筆者に対して、ずっとそう思っていたようですね、直接伝えると筆者から反発を受けそうで、筆者に言えなかったようです。そんなに筆者が怖いのでしょうか。
まあ、確かに、子育てを通じて人と接することは続けてきたことかなと思います。
あくまで一つの結果なので参考程度ではありますが、的を射ている部分もありました。
自分を客観視するための材料の一つになり、少し仕事を絞りこむことができました。
図書館の本を借りて読む
筆者は月に2回図書館に行くことが習慣になっています。
仕事を探している期間にも、図書館には習慣で行っていました。ただ、いつもの習慣で行っているだけなので、選んでいる本が自分の興味のものばかりでした。歴史や日本・海外文化、動物の写真集、主婦向け雑誌など、完全にレジャー目的です。
思えば、図書館には仕事に関する本もたくさんあるんですよね。趣味だけでなく、仕事選びを進める上で参考になる本もあるのです。
そこで、専業主婦が仕事を始める漫画とか本だとか、各職業を詳細に紹介するような内容の本とか、気になるものを一通り借りて読んでみました。自分のような人にはどんな仕事が向いているか、という本もありましたね。
仕事内容を具体的に想像することができ、仕事してからの生活もより深く考えることができました。
主婦が仕事を始める漫画は、子どもや夫も読んでいました。家族も、母親が仕事をし始めたときのイメージができたようです。
普段は母親がやっていることに全く関心のない子どもたちですが、面接を受けたあとには興味津々で色々と聞いてきました。「どんな質問受けたの?」「どんなふうに答えたの?」など。
子どもたちにとっても、筆者の就職活動が仕事について深く感じられる機会になっているんだなと思いました。
本を読むことでかなり背中を押されたので、図書館にある仕事関連の本の存在に早く気づけばよかったです。灯台下暗しですね。
ニュースをみて社会全体を見渡して考える
大きな決めての一つになった行動が、ニュースなどを見たりして、社会全体を考えたことです。
これまでさまざまなボランティアに携わってきましたが、それは「自分の生活圏内」で必要とされることをやってきた、ということでした。自主的に行ったというよりも、たまたまそういう状況だったから行っていた感じですが。
「自分の生活圏内」というくくりを広げて、「社会全体で必要とされること」はなんだろうと思いました。
そうしてニュースを見ていると、今の社会の中で人出が足りない分野がけっこうあることに気が付きます。
社会で必要とされていることに対して、自分ができそうな分野で力になれるように学んでいき、自分の時間や労力を注ぐ、という働き方もあるなと思いました。困っている人や分野において少しでも力になれるのなら、とても嬉しいことです。
筆者は新卒の頃には、自分のやりたいことを突き詰めて、その結果の仕事をするという考えが優位にありました。ただ、やりたいことは、趣味でもいいのでは。副業としていくという選択肢もありますしね。
ボランティアや育児をして過ごしてきて、20年前にはなかった仕事の選び方が、自分にしっくりくるように思いました。社会が必要としていることに対して、自分の力が少しでもお役に立てたら、何よりです。
◇◇◇◇◇
今回は、専業主婦である筆者が社会復帰を目指し、どんなことをして働くかということをひたすら模索したお話でした。他にも、「やりたくないことをやらない」というアプローチ方法もありますね。やりたくないことは結局続きませんので‥。
このように右往左往した結果、挑戦しようと思える仕事が見えてきたので、今のところ自分とのずれがあまりなく選べたのではと思います。bestかどうかはわからないけれど、betterな選択はできたはず。
実際に働き出したらきっと色々と出てくるだろうな‥。まあ、それは、どの仕事を選んだとしてもあることですし、そもそも生きること自体、何かがあって当然のことです。腹をくくってやっていこうと思います。
本日もお読みいただきありがとうございました!