歩歩是道場

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「知足」を知りほしくてたまらない欲求を手放す

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たまに、ほしくてほしくてたまらなくなるときって、ありませんか。

シンプル化を進めている私も、年に何回かは「ほしい!!」となってしまい、自宅でAmazonをずっと見てしまう、なんてことがあったりします。

そんなときに思い出したい言葉が「知足」です。

今回は知足という言葉をしっかりと自分の中に落とし込み、実際の暮らしの中で生かしていきたいと思います。最近あった出来事を例に考えていきます。

 

  

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知足とは

知足は「ちそく」と読み、言い換えると「足るを知る」ということです。必要以上に求めず、今あるもので十分に足りていることを自覚する、という意味合いがあります。

自分に足りていないものに着目すると、「もっともっと」と、心が満たされないままです。それよりも、自分にあるものに目を向けてみると、実際には十分にある、ということに気がつけるかもしれません。

自分にあるもので満足できるならば、心穏やかに暮らせますね。

知足という言葉を意識した上で、実際の暮らしを思い返してみると、自分が何に対して執着や欲望があるのかが見えてきます。その執着を手放して、知足を実現することはできるのでしょうか。

 

知足を意識した出来事

ショルダーバッグがほしくてたまらない

普段の外出時には、幼い子供を連れて出ていることが多いので、動きやすいリュックサックを重宝しています。

リュックサックだと両手が空き、子供の予想外の行動にも身軽に対処できます。

ですが、急にティッシュや飲み物がほしいといわれたときに、わざわざリュックを手前に持ってきて、取り出さなければなりません。このワンアクションをわずらわしく感じていました。

 

そこで、このストレスを軽減するために「ショルダーバッグがほしい!」と思いました。

ショルダーバッグがあれば、両手を空けることができ、かつ、物も取り出しやすくなります。大きな荷物があれば、それは別の袋に入れてベンチにでも置いておけばいいかなと思いました。

  

理想のショルダーバッグは?

そこで、理想のショルダーバックを考えました。

私がショルダーバッグに求めるポイントは以下の通りです。

  • 見た目が好み
  • どんな服にも合う
  • 物が落ちにくい構造
  • 雨天でも使える
  • 汚れが目立たない

 

元々ショルダーバッグを持っているのですが、軽く留める程度のボタンがついているだけで、貴重品が落ちるのではとたびたび心配になってしまいました。

そこで、Amazonで理想のショルダーバックはないか、夜な夜な検索していました。

  

新品が本当に必要なのか 

そんな中、これでもいいのではという商品を見つけました。そこまで大きすぎず、ファスナー付きで見た目が良いものです。しかし、革製なので、雨天では水濡れが気になってしまうかな、という商品です。理想をすべて満たしたものではないので、結構よかったので、Amazonの「ほしいものリスト」に追加しました。

見た目がけっこう好みだったので、買ってしまおうかと思いました。もし買っていたら、新しいバッグのある生活が始まり、しばらく気分も上々になれるかもしれません。

ですが、このとき、私がすでに持っているバッグのことを考えました。新しいバッグがあったら、今あるバッグはさらに日の目をみなくなるだろうな、と。そして、今あるバッグを捨てることになるだろう、と。

「ほしいものリスト」に購入した時点で、買う直前なのだから、今この場で古いバッグを捨ててしまってもいいはず。でもできない。

 

なぜ捨てることができないのか。

それは、まだ十分にショルダーバッグとして使えるからです。「貴重品を落としてしまうかもしれない」という心配はあるものの、それ以外は問題ないので、捨てられないのです。

それならば、貴重品を落とさないように対策をして、このショルダーバッグを使えばいいのではないか、と考えました。

幸い、このショルダーバッグには輪っかの金具部分がありました。鍵はフックをつけて輪っかにとりつけ、財布・携帯はポーチに入れて輪っかにとりつけることにしました。

 

そうして、「ほしいものリスト」からショルダーバッグを削除しました。 

 

ショルダーバッグにみる執着の所在

今回のショルダーバッグの件で、私が執着していた点は主に二つあります。 

  • 新しい物に対する執着
  • 機能が足りていないことへの執着

 

新しい物に対する執着 

新しいものがあると、暮らしの中でちょっとした刺激になるような気がして、しばらくワクワクします。新しい物があることで生活が明るく楽しくなるならば、それは良いことでしょう。

ですが、今すでにあるものたちも、最初に買ったときは「新しいもの」であり、かつては手に入れてワクワクしてたのではないでしょうか。けれど、今はどうでしょう。その物により、ワクワクは続いているのだろうか?

すでにあることが当たり前になっており、また別の新しい刺激を求めているだけはないのでしょうか。新しいものを買ったときの高揚感を、脳がしっかり覚えているので、新しいものをほしくてほしくてしょうがなくなっているだけのように思います。

「新しい物を得た高揚感」に対する執着です。

 

自分が心底納得するショルダーバッグであるならば、それを手に入れてもいいかもしれません。ですが、今回は買ってもいいかな、という物です。もし購入していたとしても、新しいものによる高揚感は数日で収まり、また新しい刺激がほしくなるだけだと思います。

それならば、今あるもののままで十分だと思いました。

ゴミを一つ増やさなくてすみますしね。 

 

機能が足りていないことへの執着 

これは良い面もあるのではないかと思います。今あるものを少し工夫して使えるようにするということは、物を再び生かすことにもなりますし、それを使うことで、快適な暮らしにつながるからです。

今回、今持っているショルダーバッグに貴重品をとりつけたことで、紛失の心配をせずに使えるようになりました。

 

しかし、そもそも私はとても快適なリュックサックを持っていました。

このリュックサックには、鍵を付ける箇所や、財布を入れる背中のポケット、携帯を出し入れしやすいポケットがあります。さらに、モバイルバッテリー入れ、サングラスをかける箇所・・と、物にアクセスしやすくする工夫が随所にみられる代物です。

こんな便利なリュックを、「前面に持ってくるのがわずらわしい」とないがしろにしていました。

 

古いショルダーバッグを工夫する点はいいとして、リュックサックをないがしろにする必要はあったのでしょうか?前面に持ってくるのにひと手間はかかるけど、ファスナーはしっかりしまるし、紛失の心配なく使えるではないか。

今あるリュックサックの良さにも気づき、機能面に関しても、求めすぎていたのではないか、と思いました。

 

知足からミニマリズムへ 

今回、私は新しいショルダーバッグを購入することをやめました。今ある物で十分だと思ったからです。余計なものを一つ増やさずに済みました。

こうして知足を実践していくと、少しずつ自分の適量に収まってきて、ミニマリズムにもつながってくると思います。 

ミニマリズムとは、過剰でなく不足でなく、一人一人それぞれにフィットしたライフスタイルであると考えています。

ただ、ミニマリズムに進む過程には、「すでにもっている過剰なものをどうするか」という問題もあります。断捨離にもつながってくることですね。これは今後の課題です。 

 

◇◇◇◇◇

 

今回はショルダーバッグのエピソードでしたが、物だけではなく、人の能力に対してであったり、社会的な地位であったり、いろんな場面で「知足」という言葉が生きてくると思います。

「もっと」と思いつづけていると、心が満たされないままです。今あるものに着目すると、持っているものの大切さやありがたみに、気が付けるかもしれません。

この振り返りで私の物の適量というものも見えてきました。ショルダーバッグは一つ、リュックも一つ、が今の自分には心地よいです。二つになると多いです。

ミニトートバッグはとてもたくさんあるので、「足るを知る」どころか手に余っております。ここをなんとかしないとな、というのが今後の課題です。