歩歩是道場

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実家の片付け事例。相手を尊重した片付けを。

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ご実家は、整理整頓されていますか?

私は、実家に帰ると、母から「部屋を片づけてくれる?」と毎回言われています。 服や食器など、今では使わない種類であったり、量であったり、少し過剰にあるようです。 

私は、不要なものを生かすことに、喜びを感じるタイプなので、実家の片付けは宝探し感覚で楽しくやっています。

今回は実家の片付けをしていて見えてきた母の想いから、人の物を片付けるということについて、考えていきたいと思います。

 

 

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実家の片付け事例

処分できない母に代わって服を間引く

母は、古い服であっても防虫剤を入れてタンスに閉まい、防虫剤の期限が切れたらきっちり交換するとても真面目な人です。

丁寧にしまっていているのですが、サイズやデザインが合わないので、着ることはありません。本人曰く、「物を大事にして育ってきたから捨てられないのよね」とのことです。 

不要な服であることは本人もわかっているのですが、状態が良くてまだ着れる物を捨てるのはもったいないのでしょう。私も「使い切った」と思えないと捨てられないので、母の気持ちはよくわかります。

 

そういう古い服は、たいてい私が実家に帰った時にもらっています。服を処分できない母に代わって、母の服を間引いている、という感覚です。

私がもらうことで、服として生かせれば最高ですし、服としては難しくてもリメイクの素材にできます。 

それも難しければ、リサイクルに出したり寄付をすることもできます。

そして、万一リサイクルや寄付ができなくても、躊躇せずに端切れにし、使い捨ての雑巾にすることができます。私にとってはそこまで思い入れのある服ではないからです。

 

母は、不要な服が自分の手から離れただけで満足なようで、その次に会った時に「あげた服はどうした?」などとは聞いてきません。それどころか、タンスを開けては「これいらない?」とまた聞いてきます。

私がどのように役立てているかはあまり関係なく、「母の服を間引く」ということ自体が、母にとっては助かるようです。

 

新しい服を買うときに、もう少し慎重になってくれたらと思うのですが、そこは私にはコントロールできない部分なので、考えないようにしています。

 

残り続ける台所用品

現在母は一人暮らしなのですが、一人では使い切れない大量の食器や台所用品があります。使えるものは、今使っているかどうかにかかわらず、取っておいています。

  

●宴会用の食器類 

以前は同居家族も多く、たびたび親族が集まって宴会をしていたので、よく大皿を使用していましたが、今では大人数が集まるような機会もありません。使用頻度が低い分、とてもきれいな状態で残っています。

他にも、宴会のときに大活躍していた、グラス類やおちょこなどもあります。母はお酒は飲んでいるようですが、自分のグラスで十分なので、こんなにたくさんのグラスはいらない気がします。

大皿やグラス類は、我が家にも十分な量があるので、引き取ることはできませんでした。友人に聞いたところ、古い食器を引き取ってくれる場所があるようなので、コロナウィルスが落ち着いたら、食器棚から少し間引いて出してみようと思います。 

 

●弁当グッズ

母の今の生活では、弁当を作る機会は全くありませんが、昔の弁当グッズもきれいに残っていました。私が小学生のころに使用していたようなものや、ミスタードーナツでポイントをためて交換した手に入れたものです。 

これらは、私の家では使用することが多いので、ありがたく頂戴しました。そのうちの一つは、数年使用したのち蓋が壊れて、処分することになりました。最後まで使い尽くせて、すっきりしました。

古いバラン(葉っぱ状の使い捨てのしきり)もあったので、これは娘の工作で使用しました。段ボールに張り付けて芝生に見立て、シルバニアファミリーの遊びで活躍しました。

 

●箱に入ったままの食器 

頂き物の高級食器類は、箱のまましまわれています。

これらは他に欲しい人がいるかもしれないので、メルカリで出品してみることを提案したのですが、いい食器なんだから他の人に譲るよりも自分で使ったほうがいい、とのことで、却下されました。

そんなことを言いながら、使っているところを見たことがありませんが。

 

上質な食器だけど母の好みに合わないのか、はたまた、ラクな日常使いの食器が多いため、高級ないい食器の出る幕がないのか。

前者だったら、もういちどメルカリの出品や寄付を提案し、後者だった場合は、少し状態の悪くなっている日常使いの食器を間引いて、高級食器の出番をふやしてみようと思います。

 

●番外編 使っていないけどお気に入り

実家の食器棚の片付けを進めていたところ、私の好みの黄色の小花柄のマグカップがありました。

母はこれを使っていなかったので、不要だったらほしいと思い聞いてみたところ、「これは少し気に入ってるんだ」とのことでした。

 

それを聞いて、少し意外に思いました。最近の母は、実用性重視だったので、ビジュアルに対するこだわりがなくなったかと思っていたのです。

その母が、マグカップを「素敵」と思って、最近手に入れたとのことでした。それを聞いて、母にそういう気持ちがあるということに、嬉しく思いました。

 

使っていなくても、眺めているだけで気分がよくなるものを飾っておくのもいいですね。

今は食器棚にいろんなものが詰まっているけれど、こういうお気に入りを目立たせるようにしたら、母の生活の質が少し上がるような気がしました。

 

このマグカップについて、きちんと母に確認しておいてよかったです。母のことをわかっていたつもりでいたのですが、話さないとわからないことがあります。 

 

昔集めていたレシピ本

収納棚に、分厚いハードカバーの20巻ほどのレシピ本が入っています。古いもので、母が結婚当初から持っていたものです。

今は母もスマホ使っているので、「レシピ本はいらないんじゃない?」と母に聞いたところ、あまり乗り気ではなさそうでした。

 

母は短大の家政科を出ました。現在は仕事をしていますが、子供が小さいころは専業主婦として過ごしてきました。

分厚いレシピ本に、もしかしたら母の人生で大事なものが詰まっているのかもしれません。スマホのない時代に、これらの本を見ながら、日々の献立を考えてきたのでしょう。

そう思うと、この20巻のレシピ本は、ただのお荷物ではなくて、母にとっては大きな存在なのかもしれません。その料理を食べて育ってきた私にとっても、このレシピ本がなんだか特別な物のように思えてきました。

眺めてみているだけでも楽しいので、娘を連れて行ったときに、絵本替わりに一緒に眺めてみようと思います。

 

実家にあったレシピ本の中で、新聞の定期購読のおまけでついてきたような、レシピの冊子(30冊くらい)は処分しました。これは使うかもしれないと処分できずにいただけなので、特に思い入れはなかったようなので。

 

余談ですが、こんなに料理をしてきた母も、最近では孫が来たときくらいしか料理をしないようで、普段は市販のお総菜で済ませているようです。

少し寂しい気もしますが、そういう母の変化も、受け止めていこうと思っています。

 

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人の物を片付けることについて

他の人が片付けをする利点

母本人ではなく、私が母の片付けをする利点としてあげられることは、「躊躇なく処分することができる」ということだと思います。母だと、思い入れがあって難しいものも、私なら思い入れがないので処分できます。

そういう点では、他の人が片付けをするということは、とても効率的です。

 

母が「もったいないから」という理由だけで残しており、今もこれからも何かしらの価値を与えないようなものは、母が手放せるよう手助けをすることができます。引き取って使うなり、母に代わって処分するなりできます。

 

他の人の片づけで気をつけること

ただし、躊躇なく、なんでもかんでも処分するのは避けたほうがよいと思います。

 

今回は、小花柄のマグカップや20巻のレシピ本に、とても「母らしさ」を感じました。こういった、母の文化を感じさせるものは、たとえ使っていなくても、残しておいていいのではないでしょうか。 

私の基準でポンポン処分してしまうと、「母らしさ」というものが実家からなくなってしまうような気がしました。

 

20年ほど前、親せきの家の片付けをしましたが、このときに叔母の新品の傘のビニールと外したことがありました。私には、このビニールは不要だと思って取り除いたのですが、叔母はこの傘がお気に入りで、そのまま残してほしかったようです。少し残念そうでした。

自分主体になってしまい、反省しました。

 

片付けって、そこで暮らす人が、心地よく暮らせるように整えることですね。他の人の片付けをする場合、心地よさの基準は、自分ではなくてその相手にあります。

自分の片付けの技量を発揮させるということより、相手が心地よく過ごせるように、相手の気持ちを尊重して進めていくことが大切です。

 

◇◇◇◇◇

 

片付けをしたことで、母の暮らしに劇的な変化があるわけではないでしょうが、大切な物に囲まれて、少しでも豊かな気持ちで過ごせてもらえていたら嬉しいです。

大切な物を際立たせるために、ひきつづき、不要な物を間引いていこうと思います。